名古屋星が丘テラス
サイクリング中の事故の時に役立つ心肺蘇生法~人工呼吸編~
2019年10月26日 [名古屋星が丘テラス]
こんにちは。名古屋星が丘テラスの林です。
前回の胸骨圧迫編の続き、人工呼吸の手順について説明していきたいとおもいます。
前回のブログはこちら→https://www.trekstore.jp/news/?p=80686
人工呼吸を始める大前提として、自信がないときや生理的にどうしても無理な時はしなくてもよいです。
ためらうその1秒2秒が救命率を下げていくからです。
また口から出血しているときは、感染リスク回避の為、好むと好まざるに関わらず中止して下さい。
胸骨圧迫のみの実施でかまいません。
心停止したばかりの頃は、血液中にはまだ充分な酸素量があり、体中を一巡したくらいでは血中酸素の消費量はそれ程減る訳ではないからです。
人工呼吸の手順
1)気道確保(頭部後屈あご先挙上法)
胸骨圧迫を30回続けたら、気道確保をして人工呼吸を2回実施します。
片手で傷病者の額を押さえながら床に肘をついて固定させ、もう一方の手の指先をあごの先端の、骨のある硬い部分に当てて持ち上げ、空気の通り道を作ります。
これにより傷病者の頭部が後屈され、頭がのけぞる様な姿勢になります。
このようにして行う気道確保を、“頭部後屈あご先挙上法“といいます。
2)人工呼吸(口対口人工呼吸)
気道を確保したまま、額に当てた手の親指と人差し指で鼻をつまみ、自分の口を大きく開いて傷病者の口を覆い、空気が漏れないようにして息を2回、吹き込みます。
目線は胸を注視、胸の上がりがわかる程度の量を1秒間かけて吹き込みます。
上手く胸が上がらなくても実施は2回、胸骨圧迫の中断時間が10秒以上かからないように終わらせて下さい。
3)心肺蘇生法の実施
胸骨圧迫30回と、人工呼吸2回(30:2)を続けます。
中止するタイミングは、傷病者に動きが現れる(例えば息をしはじめる、何かしら目的のある仕草をするなど)まで、あるいは救急隊に引き継ぐまで続けます。
救急隊は基本、3名1組で行動します。
到着後、準備出来次第代わってくれるそうですが、あまりにも上手い時はそのまま続けてもらうよう頼まれる事が、稀にあるそうです。
4)補足
口対口人工呼吸は、感染のリスクはかなり低いといわれていますが、携帯用の感染防護具が市販されているので、いざと言う時の為に持ち歩くのも手ですが、あまり現実的とは言えないでしょう。
人工呼吸は簡単にみえて、実は訓練用の人形などで繰り返し練習しないと中々上手く出来ないかなりの高等技術です。
気道確保が上手く出来てなかったり、空気を入れ過ぎたりすると食道に空気が入ってしまい、嘔吐の原因をつくってしまうおそれがあり、もし嘔吐物が肺に流れてしまうと、更に状況悪化の一因になる事もありえます。
繰り返しになりますが、“自信がなければやらなくてよい“です。
次回、AEDについての説明で最後にしたいとおもっています。
最後までお付き合い頂けたら幸いです。