六本木ヒルズ
TREK WORLD 2014 (29er編)
2013年8月8日 [六本木ヒルズ]
世界中で開催されるTREK WORLD。新製品の発表の場です。
日本では毎年京都で開催され、注目バイクを見て、触って、体感することができるのです。
各バイクカテゴリー別に、試乗したインプレッションも含めてご紹介していきます。
ゲーリーフィッシャー氏の考案した29インチマウンテンバイクは年々進化を遂げ、多くのフィールドで多くの人に楽しまれています。
マウンテンバイクでのプロジェクトワン開始は、TREKの29erに対する情熱と意気込みを感じることができます。マウンテンバイクにおける優位性は、サスペンションの種類、ロックアウトの方法、ブレーキのグレード、前後ディスクローター径、ホイールなどの細かなパーツ構成をライダーが決定できることにあります。マウンテンバイクだからこそプロジェクトワンが必要で、TREKだからこそ理想的なオーダーシステムが可能となるのです。
それでは進化した29erをご紹介していきます。
スーパーフライFS 9.9 SL
長距離レースやマラソン系イベントで活躍するモデルです。
ライダーへの負担が少ないフルサスペンションバイクは、特に疲労時のコントロールミスや乗り手の技量をサスペンションがカバーしてくれます。
ペダリングも違和感なくグイグイと踏めるので、フルサスペンションバイクにおける登りでの欠点がなくなりつつあります。さらにリモート機能(フロント・リアを同時に操作できる)があるので、シチュエーションに応じて手元で気軽にモード変更ができます。
リーズナブルなスーパーフライFS 8のアルミモデルもあります。
スーパーフライ 9.9 SL
フレーム形状はそのままに、とにかく軽量に仕上げられたバイクです。
軽量塗装のベイパーコートに、スラムXX1で組立てられた展示車は8キロ台。
サスペンションやディスクブレーキが付いているとは思えない軽さです。
軽さがアドバンテージになるような登りの多いレースや、ペダリングが重要となる高速レースに向いています。
軽いのに29インチの安定感があるので、登り途中の木の根や岩などは軽々と越えてしまいます。
プロジェクトワンで派手なカラーにすれば、レース会場で目立つこと間違いなしです。
スーパーフライ アルミシリーズ(8・7・5)
アルミモデルはカーボンモデルのデザインを受け継ぎ、全体的に細身のデザインになりました。もちろん軽量化もしています。そしてリアエンドが142×12スルーアクスルとなったことでホイールの剛性が向上しました。142×12は多くのホイールメーカーがリリースしているので、後々グレードアップする際でも選びやすい規格を採用しています。スーパーフライ5は20万円を切っていますので、これからレースを始めたい方にオススメのモデルです。
X-Caliber
2013年モデルではマンバやマーリンなどの名前だったのですが、2014年はX-Caliber(エックスカリバー)シリーズに統一され、スペックや価格から最適な一台を選べるようになりました。X-Caliber8と7が油圧のディスクブレーキ仕様で、街乗りから山遊びまで幅広いフィールドで乗ることができます。
フューエルEX 9.9 29
こちらは既に登場していたフューエルEX9.9の29er。
展示車はグロスブラックとマットのブラックのカラーで、高級感に溢れていました。
細かいところですが、ボントレガーのホイール「リズム エリート」がポリッシュになっており、かなり良さそうな印象です。
☆試乗してみて☆
「キビキビ」と「フワフワ」が混在するバイクというのが第一印象です。
ハンドリングは脳の指令に従順で、思った通りに曲がってくれます。切り返しが続くようなところでも気持ちよく走れそうです。コーナーで倒し込む際の不安感も29インチホイールの安定感が打ち消してくれるので、ギリギリまで攻めても抜ける気がしません。
サスペンションのモードを切り替えれば、登りも問題無くクリアできます。
フレームの良さとサスペンションの特性がお互いを活かして、最大限のパフォーマンスを発揮しているのが乗った瞬間にわかります。
さらにバイクの性格を変えるのがドロッパーシートポストの存在です。シートを下げれば気兼ねなくバイクを引き上げることができるので、乗り越える・飛ぶ・飛び越えるといった動作もライディングに組み込むことができます。
レースというより、マウンテンバイクコースから里山トレイルまで、仲間とワイワイ楽しく、そして楽に走りたい!というライダーにオススメしたいバイクです。
日本初登場のスタッシュは、下り系ハードテール29erという位置付けで、ちょっと多めの120mmトラベルフロントフォークと、1°寝たヘッドアングルが特徴です。
実はスタッフを含め周りの人達の反応が一番良かったのがこのスタッシュなのです。
紺×オレンジのカラーリングも渋めでスタイリッシュ。
☆試乗してみて☆
乗った瞬間は「あれ?」という感じでした。29インチバイクとはまた違ったハンドリング感覚だったのです。さらに乗り続けると29インチなのに、体の下でしっかりとバイクコントロールができることに気付きました。これならガレた高速の下りでも余裕を持ってバイクを抑えられるなという感じです。左右に倒し込んでみても安定感が抜群で「ギューン」と曲がってくれます。29インチならではの直進安定性の高さにプラスして、横方向の動きも得意なバイクです。さらに縦の動きを加えるならば、ドロッパーシートポストにして上下運動をしやすくしてあげれば面白いバイクになりそうです。
マウンテンバイク本来の操る楽しさを、より濃く表現したバイクと言えます。
昔はダウンヒルをやっていたけれど、今は楽に下りを走りたいという方に良いかもしれません。
29erは全体的に洗練されて、シンプルに機能を追求してきている印象を受けます。
シンプルさの中に遊び心(プロジェクトワンやスタッシュ)がプラスされ、ただ速いだけじゃない、真面目さの中にも面白さがあるラインナップになったと思います。
当店にはフューエルEX9.8 29 17.5が在庫で1台ございます。
詳しくは当店まで!