サザンモール神戸六甲
2015春 SDA王滝レースレポート
2015年5月26日 [サザンモール神戸六甲]
最後のコーナーを曲がり、トップスピードで無事フィニッシュゲートをくぐり抜けました!
こんにちは、トレックストア神戸六甲 内田です。
長いレポートになりますが、王滝の魅力が伝われば幸いです…(笑)
ついにきたSDA王滝スタート当日、レース前日の天気予報では降水確率が高く、ビショ濡れの覚悟は決めていたのですが、そこは晴れ男!一滴の雨も降らさず、無事AM6:00パレードランスタート!
皆様とのお約束通りスタートからゴールまで、王滝の魅力と雰囲気、レースの状況を写真に撮り、王滝のイベントを伝えるべく、いよいよSDA王滝スタート!いってきまーす!
・・・と、そんなワクワクドキドキのレポートをする予定でしたが!
パレードラン開始と共に「ファットバイクはパレードランの間に順位上げとかないと林道入ってからはしんどいよ!」という先輩のアドバイス通り、スタートと共に順位を上げているうちにレースモードのスイッチが入ってしまいました(笑)
パレードラン中は参加されていたストアのお客様とお話をしながらも、一人、また一人と確実に順位を上げていきます。
沿道では王滝村の村人が大きな声で声援を送ってくれていて、徐々にテンションが上がる中いよいよコースは林道へ、アクチュアルスタート!
序盤、なかなか身体が暖まらず心拍も低め、思うよう回らない脚を無理やり回し、ただひたすら前のバイクを追いかける。林道は2列に分かれ車のタイヤの轍を走る感じとなり、少しでも隙間が出来れば轍を飛び越え反対側の車列に入る、前がスピードダウンすれば轍を外れ雑草地帯を走り前を抜くと、スタートから30分くらいはこの繰り返し。
さらに斜度が上がると前方では渋滞が起こる。狭い林道なので、この渋滞を抜いて上がるのは至難のわざ…ひたすらジワリジワリと我慢の展開が続く。
そんな中、お客様や知り合いと会い、声を掛け合うと少し脚が軽くなるのは不思議でした(笑)
スタートから10km地点では、自分と同じペースで走る集団ができ、気が付けば脚も暖まり気持ちよく走れるようになっていました。
いつもなら一度疲労で脚が重くなる谷間が来る頃でしたが、3日前まで追い込んで疲労を溜めた脚が、レース当日に見事な超回復をみせ、15km地点でも脚が軽い。
そして20km地点では集団はバラけ、いよいよ一人旅が始まりました。
はるか前方に見える前走者を目標に少しずつ追い上げてはパスし、また新しい目標を見つける。
残り距離は80km、まだまだ先は長い…。
25km辺り、長いダウンヒルが始まり1年前の落車ポイントが近づく。
今日はリラックスして乗れていたのに急に手と肩に力が入っているのがわかる。
落ち着いて、丁寧に、丁寧に、ブレーキは最小限に、頭の中で呪文のように繰り返す。
そしていよいよ落車した下りコーナー、冷静に最小限に速度を落としハンドルを切っていく。
よし、クリアー!
…と思った次の瞬間、頭とは裏腹に身体はビビってブレーキレバーを握り、リアがアウトへ滑り始めフロントが暴れ始める。
一瞬1年前の悪夢がよぎりました…落車!?
時間にして1秒?2秒?そのわずかの時間の中でレバーから指を外さなあかん!このままやったらコケる!と判断して一気にブレーキ解除。あれ程暴れた自転車は急にコントロール出来るようになり、山壁ギリギリで激突を交わし魔のポイントをクリア。
さぁ、これで一気に不安は無くなった!あとは体力との勝負!マラソン系のレースには合わないと言われたFARLEYでしたが、脚は軽くよく回る!しかも下りは太いタイヤが技術をカバーしてくれる!こうなりゃ脚がもつ限り最後まで全力で走ろう!
路面抵抗の低い砂利の下りコーナーを丁寧に曲がり、コース上に流れる川を渡り、数日前の雨でドロドロになったポイントもそのまま真っ直ぐ突っ込み、カボチャくらいの大きさの岩で埋め尽くされたコースを下り、そして登り、はるか前方に米粒のように見える前走者を追いかける。
そう、コレがセルフ・ディスカバリー・アドベンチャー王滝なのです!
レースは50kmを過ぎいよいよ後半、この辺りで左足の内太ももが攣り始めるが、ここは冷静に準備していた2RUNを飲んで対処。
現状攣っている脚は、ダンシングを入れながら違う筋肉を使って騙し騙し走る、絶対に脚は止めない、着かない!
数キロ先では2RUNが効いてきたのか、完全に攣りも収まった。
補給食はスポーツ羊羹を食べ、濃いめに作ったCCDはボトルの飲み口がドロドロで、飲むと口の中がジャリジャリいうが、無理やりハイドレーションの水で流し込む(笑)
また、レース中の景色といえば噴煙がまだ立ち上る御嶽山が雄大で見とれてしまったり・・・
最高標高地点では5月というのに残雪があったりと目も楽しませてくれた。
残り距離も40kmを切ってくると平坦の林道や緩やかな下りのコースが登場し、ここぞとばかりにスピードアップし攻めることができたが、FARLEY8は1×11ということもあって、すぐにファイナルギアになりトップスピードでも45km/hが限界。前を走る選手と距離が開いていく。そして登りで追いつき、また下りで開いてく…(笑)
ペースが合えば10km以上一緒に走るが言葉を交わすことはなかったり、途中メカトラブルや落車で止まってる選手には走りながらも「大丈夫ですか?」の声掛けに「大丈夫!先に行って!」なんてやりとりがあったりと、長距離、長時間レースならではの光景がありました。
そしてレースは終盤、42kmのカテゴリーの選手とコースが合流し、最後の登りは自転車を下りて押して登る選手が増えてくる。
そんな中、やはり100kmエントリーの選手はペースを落とさず登っていく、強い!
もちろん自分もラストスパートをかけ根性のダンシング!絶対前の選手に離されないようについていく。一度離れるとズルズルと離れ、二度と追いつかなくなる。自分がパスしてきた選手も振り返ると視界から消えてることが多い、みんな自分の限界に挑戦している、一つのレースの中にたくさんのドラマがある。
レースはすべての登坂を終え、ゴールまで数km続くダウンヒルが始まる!ギアは常にトップギアに入ったまま、脚も攣ったまま(笑)ゴールまで踏みっぱなし!「右から抜きまーす」「通りまーす」タイムを意識する選手はかなりの速度で下るので、声は出しっ放し!
最後に緩やかな左カーブを曲がったとこで前方にフィニッシュゲートが見えてきた!
もう全力全開!!
ゴールブースからはDJの声が聞こえてくる「おおっすごい!次はファツトバイクだー!」たくさんの観客と歓声の中ついにゴール!!
フィニッシュタイム 5時間53分09秒
総合順位690人中 第55位
年代別順位 第20位
記録は去年より1時間5分短縮で、見事6時間切り!しかも後で聞いたら100kmのファットバイクではトップゴールだったらしい(笑)
いやーホンマに出し切れました。もちろんペース配分を意識して走りはしましたが、攻めるところは攻め、抑えるべきところは耐え、実に満足のいくレースとなりました。
ただ、楽しいバイクに乗り、楽しいイベントレースを紹介しようと参加した王滝、終えてみるとFARLEYの意外な戦闘力を知り、気付けばガッツリレースモードで走ってしまい、当初予定していたレポートと違うレポートになってしまった事お詫びいたします(笑)
さてみなさん、長いレポート最後までお付き合いありがとうございました。
このレポートを読み、自分も挑戦してみたい!と思いましたか?それともキツそうやからパス!と思いましたか?
毎回そうですが100kmを走りきった瞬間、フィニッシュゲートを通過した瞬間に湧き上がる感動は、走った者だけがもらえる最高の参加賞です(笑)
秋にも王滝はあります。挑戦したい!と思った方はぜひ100kmエントリーしましょう!
パス!と思った方は42kmにエントリーされてはいかがでしょうか?
きっと今までにない新たな自転車の魅力に出会えますよ。
また、王滝に出られた方、今後出られたい方、王滝に合ったバイクから装備、補給食、給水までいつでもご相談にのりますので、ストアまで遊びに来てください。
お待ちしております。